野蒜海岸 松島にて

松島海岸駅からバスに乗って、野蒜（のびる）駅に向かいました。

このあたりは奥松島といわれるところ。
野蒜駅は仙石線（仙台市のあおば通駅と石巻市の石巻駅を結ぶ）の駅ですが、
震災の影響で不通になっている高城町駅―陸前小野駅間にあるため、代行バスが出ています。

　

使われていない野蒜駅の改札は板でふさがれていました。

　
駅前は、どなたか世話をしている方がいるらしく、花壇ではきれいに花が咲いていました。
ここより内陸部に駅を移設する予定があるとのことで、ホームや線路はそのままになっているようです。

　
本来、線路のレールがあったところですが、バラストが残っているだけ。
津波で流されてしまった？　あるいは移設のため移動されたのでしょうか。

　
野蒜海岸まで、歩いてみました。
2008年に旅行で来たときには、ここより南の「塩田跡」で鳥見をしたのですが、そこまでは行けず。

Googleマップを見ると、海岸近くには宿泊施設など、いろいろ建物があったようです。
この写真でわかるように、それらはなくなっていました。
ストリートビューでは、2011年7月の、まだがれきの残っているこのあたりの様子を見ることができます。
津波で流され、その後2年のあいだに、残っていた土台なども片付けられたということなのでしょう。

そういうのを見ることに、少し罪悪感のようなものがある…なんとなく悪趣味なことのように思えて。
それでも見ることで、ここにあった生活がすっかり奪われてしまったのを知ることもできます。

広く荒れ果てたこの場所は、強い風が吹いていたこともあって、一人で歩いていると怖いようでした。

　
この地図では右側が北になります。まんなかちょっと右下の赤い表示部分が現在地。
右の写真は防波堤で、その向こうが野蒜海岸。

　
野蒜海岸から防波堤を越えて津波が押し寄せてきたのだと思います。
この日は何台かの車が停まっていましたが、海を見に来た人だったのでしょうか。
宮城出身の友だちは、子どもの頃は夏になると野蒜海岸に泳ぎに行ったといいます。

　
飛んでいたのは夏羽で頭の黒い、ユリカモメでした。

　
右の写真はたぶん鳴瀬川から松島湾に流れる東名運河、そこに架かる橋です。
手すりはほとんど流されてなくなったままになっていました。



再び代行バスに乗り、松島海岸駅まで戻りました。
名残を惜しんで、遊覧船乗り場で鳥写真を…。

　　






　
そしてつぶ貝の串焼きを食べて、帰ったのでした。

コメント 4

それでもお花はちゃんと咲いてくれて、空が青くなって、カモメが飛ぶんだよね。
熱燗でイカの丸焼きにかぶりつきたいな。
by ゴーパ1号 (2013-06-27 07:04) 

東名は西側が松島湾ですが、南東側から津波がきたようで、「後ろから来た」というようなことを言ってました。
by キタノオドリコ (2013-06-28 06:44) 

それは、決して悪趣味ではありません。
過去の状況を知ることは、再生の縁（よすが）になる筈です。
そして、例え過酷な状況であっても、真っ直ぐに見詰めて、記憶したり、記録したりして、そして伝えて行くことが大切なのだと言う気がします。
アラユルコトヲ/ジブンヲカンジョウニ入レズニ/ヨクミキキシワカリ/ソシテワスレズ（宮沢賢治）・・・きっと、それが正しいのだと思います。
それは多分、苦しくて、辛いことなのかも知れませんが・・・
by albireo (2013-06-28 21:51) 

＞ゴーパ1号さん
イカの丸焼きもいいね～。
今度は松島四大観の一つ、「麗観」の富山に行ってみたいと思っています。
「壮観」の大高森にはすでに行っているから、コンプリートしたい。

＞キタノオドリコさん
津波が来た時の映像を見ても、「こんなことが起こったなんて信じられない」と思うばかりで、その場にいた人の気持ちはどんなだったのか、想像するのは難しいです。それでも忘れないようにしたくて、行ってみたのです。

＞albireoさん
ひどい被害を記憶にとどめることは当事者じゃなくてもそれなりにつらいことではありますが、やっぱり忘れないようにする努力は当事者でないほど必要ではないかと思います。
by はてみ (2013-07-01 23:47)